【3月23日 CNS】数十年を経て、長江デルタ地域や珠江デルタ地域は水産物や米などが豊富にとれる土地だったが、やがて発展に伴い工業都市群になり、中国の主要な粮食生産地域は、北方に集中するようになった。「南粮北調(南方で生産した穀物等を北方へ調達する構造)」は「北粮南運(北方で生産した穀物等を南方へ調達する構造)」に変わり、近年もこの傾向は続いている。

 農業発展の観点からは、北方の日照や温度は南方ほど良くはなく、多くの地域が深刻な水不足に陥っており、「北粮南運」は持続可能ではない。自然資源部の王広華(Wang Guanghua)部長は、今年、農地に関する経済的な賞罰を導入し、南方の一部の省に流出してしまった優良な農地を一定程度回復するよう促し、「北粮南運」の傾向を抑制することを目指すと述べている。

 南方地域にとっては、いかに「南方独自の責任田(場向けの作物などを栽培する農地)」を守るのか?最近、江蘇省(Jiangsu)・浙江省(Zhejiang)・安徽省(Anhui)・福建省(Fujian)・広東省(Guangdong)の五つの省の関連(市、区)の党・政府の責任者は、各地が農地保護の政治的責任を安定的に担い、党委員会と政府との共同責任を実施し、細かく監督し農地保護の厳しい措置を厳格に実施し、18億ムー(約120万平方キロ)の農地のレッドラインをしっかり守ることを表明した。

 福建省漳州市(Zhangzhou)平和県(Pinghe)は、代表的な農業大県だ。同県の党委員会書記の蔡緑璇(Cai Lvxuan)氏は、現存する農地が発展のレッドラインにあり、限界にきている。同県は農地保護を重要な位置に置き、最も厳格な農地保護制度を実施し、農地の総量を安定化し、農地の質を向上させると述べた。

「太倉市(Taicang)は、『最も重要な』政治的自覚をもって党委員会と政府との共同責任を実践していく。私たちは、農地レッドラインの終身責任制を厳格に履行し、評価方法を改善し、責任要件を細分化し、農地と永久基本農田の保護目標任務を指定の人に任せ、現場で実施する」と、江蘇省太倉市委員会書記の汪香元(Wang Xiangyuan)氏は語った。

 18億ムーの農地レッドラインは超えてはならない一線だ。増加を厳密に制御し、ストックを活性化し、法治を厳格に実行する必要がある。

 安徽省蚌埠市(Bangfu)の農地保護責任について、同市の党委員会書記の黄曉武(Huang Xiaowu)氏は、次のような数字を挙げている。「我々は土地保護の責任を負い、農地保護の目標を明確にし、5年以内に8万ムー(約53平方キロ)の農地回復の計画を立てる。『第14次五か年計画(2021〜2025年)』の終わりまでに、市内の灌漑面積を343万ムー(約2287平方キロ)に増やし、172万ムー(約1147平方キロ)の新しい灌漑面積を実現し、34万3000ムー(約228平方キロ)の旱地を水田にし、市内の15万ムー(約100平方キロ)の稲漁(水田で魚類を養殖するための場所)の複合種養を全面的に整備し、穀物の安定生産と収益の増加、農業の安定的な効率向上を有機的に統一する」と、黄書記は述べた。(c)CNS/JCM/AFPBB News