【3月23日 AFP】サッカー元ドイツ代表として2014年W杯ブラジル大会(2014 World Cup)を制し、スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)やイングランド・プレミアリーグのアーセナル(Arsenal)などでプレーしたメスト・エジル(Mesut Ozil)が22日、現役引退を表明した。

 エジルは「熟慮の末、私はプロサッカーからの即時引退を発表する。これまでの約17年間、国際的な選手でいられる幸運に恵まれ、その機会にとても感謝している」としつつ、「しかしここ最近はいくつものけがに見舞われ、サッカーの大舞台を去るときが来たことがどんどんはっきりとしてきた」と述べた。

 独ゲルゼンキルヘン(Gelsenkirchen)出身でトルコ系の血を引くエジルは、数々の大きな大会で活躍したものの、国際政治や人種差別の問題に巻き込まれた。

 ブラジルW杯ではドイツを栄光に導いたものの、18年のロシアW杯(2018 World Cup)ではグループリーグ敗退後に国民から「人種差別的」な非難を受け、エジルは代表からの引退を表明していた。また同大会の直前にはトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領と並んで写真を撮影したことで、ドイツに対する忠誠心が疑問視されるなど物議を醸した。

 クラブレベルでは、巧みなパスや視野の広さでそのキャリアを花開かせ、10年にはドイツ・ブンデスリーガ1部から当時ジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督が率いていたレアルに加入した。レアルではリーグ優勝に貢献し、アシスト王にも輝いた。

 13年にはアーセナルに移籍し、加入1年目にはイングランドFAカップ(FA Cup 2013-14)制覇を遂げた。

 近年はトルコ1部リーグに活躍の場を移し、フェネルバフチェ(Fenerbahce)に加入。今季はイスタンブール・バシャクシェヒル(Istanbul Basaksehir)でプレーしていた。(c)AFP