【12月19日 AFP】新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)における中国政府のウイグル人弾圧を批判したイングランド・プレミアリーグ、アーセナル(Arsenal)のメスト・エジル(Mesut Ozil)選手(31)が、人気サッカーゲーム「プロ・エボリューション・サッカー(Pro Evolution Soccer)」から削除された。中国版を配信している同国IT大手の網易(NetEase)が明かした。

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 網易によれば、日本では「ウイニングイレブン(Winning Eleven)」の名前で知られる同ゲームからエジル選手が削除されたのは、「中国に関する行き過ぎたコメント」が理由だという。

 トルコ系ドイツ人のエジル選手は13日、新疆ウイグル自治区における中国政府のウイグル人弾圧を非難するコメントをツイッター(Twitter)に投稿し、この問題でイスラム教諸国が声を上げていないことを批判した。

 アーセナルがエジル選手のコメントから距離を置いているのに対し、中国側は同選手のツイートは「偽りの意見に影響された」ものであり、「フェイクニュースに欺かれている」と述べている。

 エジル選手はトルコ語で「コーランが焼かれ、モスクが閉鎖され、イスラム神学校が閉校させられ、聖職者たちが次から次へと殺され、兄弟(イスラム教徒)たちが強制的に収容施設へ送られている」と書き込み、「それなのにイスラム教徒たちは沈黙している。彼らの声が聞こえてこない」と、イスラム教の国々が行動を起こさないことを批判した。

 網易はこの直後、エジル選手のコメントは「中国ファンの感情を傷つけ、愛や平和というスポーツ精神を冒涜(ぼうとく)した」と中国のソーシャルメディアに記していた。「われわれはこのコメントを理解しないし、容認も許容もしない」

 エジル選手の投稿を受け、同国の国営テレビは15日に行われたアーセナル戦の放送を取りやめ、現在この件に関する議論は中国で厳しく検閲されている。(c)AFP