【3月22日 AFP】中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は22日、3日間のロシア訪問を終え帰途に就いた。ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領との会談では、西側諸国に対抗する結束を誇示したものの、ウクライナでの戦闘を終結させる突破口が見いだされた兆しはない。

 西側をけん制したい中ロ両国は、北大西洋条約機構(NATO)のアジアへの拡大に懸念を示すとともに、ウクライナ侵攻開始後緊密さを増している両国のパートナーシップをいっそう深化させていくことで一致した。

 プーチン氏は習氏との会談後、ウクライナ危機解決に向け中国が提示した文書を称賛。「各国の主権」の尊重などを呼び掛けた12項目の多くは「平和的解決の基礎として採用可能だ」と評価した上で、ロシア側は「常に協議に臨む用意がある」ものの、ウクライナと西側にはこれに応じる姿勢が依然見られないと批判した。

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は、協議のため習氏を自国に招待したとしている。

 ゼレンスキー氏は会見で「われわれは中国に対し、和平案を実行するパートナーになるよう要請した。あらゆるルートでわれわれの案を伝えた」と明かし、中国からの回答を待っていると述べた。

 一方米国政府は、中国が公平な仲介者になれるとはみていないとコメントし、ウクライナ紛争終結へ向けた仲介役を目指す中国に対してこれまでで最も直接的な批判を行った。(c)AFP