【3月20日 AFP】フィリピンで、米軍の利用を認める基地として新たに追加される4か所が近く発表される。両国の関係者が20日、共同会見で明らかにした。

 米比両政府は先月、中国による台湾をめぐる強硬な主張や南シナ海(South China Sea)での基地建設に対抗するため、フィリピンにおける「戦略的分野」での協力を強化することで合意した。

 米軍は2014年に両国間で締結された「防衛協力強化協定(EDCA)」に基づき、すでにフィリピン国内の5か所の基地を使用している。今回の追加によって計9か所に拡大する。

 場所については、比政府が現地当局と協議中として明かされていないが、4か所のうち2か所は台湾から約400キロの北部カガヤン(Cagayan)州になると報じられている。

 同州のマヌエル・マンバ(Manuel Mamba)知事は、州内の基地の米軍使用を認めれば、中国からの投資に悪影響が生じ、また台湾をめぐる紛争で標的とされる危険性もあるとして公然と反対している。

 だが、フィリピンのカルティート・ガルべス(Carlito Galvez)国防相代行は20日記者団に対し、場所については「すでに決定」しており、マンバ知事も「決定に従う」ことに同意していると述べた。

 EDCAは、フィリピンをかつて植民地支配した米国よりも中国との関係を重視したロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)前大統領の下で停滞していたが、昨年6月に大統領に就任して以降、米国寄りの政策を採用しているフェルディナンド・マルコス(Ferdinand Marcos)氏が履行を積極的に進めている。(c)AFP