【3月17日 AFP】国連(UN)の調査委員会(COI)は17日、ロシアがウクライナの子どもを強制的に移送しているのは、戦争犯罪に当たるとの見解を示した。

 昨年設置された調査委員会は、初となる報告書を公表。その中で同委は、ウクライナの子どもを強制的に国外へ移送することは「国際人道法に反し、戦争犯罪に当たる」と指摘。ロシアは昨年2月の侵攻開始以来、「広範囲にわたる戦争犯罪」を犯したと結論付けている。ロシアが人道に対する罪を犯した可能性もあるという。

 ただ、これまでのところ「ウクライナでジェノサイド(集団殺害)が行われたことは確認できていない」とエリック・モーセ(Erik Mose)委員長は述べた。調査委員会の委任期間が延長されれば、引き続き調査を進めたいとしている。

 ウクライナ政府は、先月までにウクライナの子ども1万6221人がロシアに移送されたとしている。

 調査委はこの数字の裏付けは取れていない。しかし、ロシア当局が移送されたウクライナの子どもを施設に入れたり、里子に出したり、ロシア国籍を与えたりしていることは確認できたと述べた。

 調査では、ウクライナのドネツク(Donetsk)、ハルキウ(Kharkiv)、ヘルソン(Kherson)3州に住んでいた4歳から18歳の子ども164人を調べた。

 国連人権理事会(UN Human Rights Council) は来月、調査委員会の委任期間を延長するかどうかを決める予定。(c)AFP/Nina LARSON