【3月14日 AFP】女子テニス、ウクライナ出身のレシヤ・ツレンコ(Lesia Tsurenko)は13日、BNPパリバ・オープン(BNP Paribas Open 2023)の女子シングルス3回戦を棄権した理由について、ベラルーシ出身の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2023)女王アリーナ・サバレンカ(Aryna Sabalenka)と対戦する直前に、パニックに襲われたためだと告白した。

 ツレンコはウクライナのテニスポータルサイトに対し、数日前に女子テニス協会(WTA)のスティーブ・サイモン(Steve Simon)最高経営責任者(CEO)とロシアによるウクライナ侵攻の影響でテニス界に緊張感が生じている問題を話し合った際に、CEOから「自分自身は戦争に反対しているけれど、ロシアとベラルーシの選手が戦争を支持していても、それは彼ら自身の意見にすぎず、他人の意見に動揺してはならない」と聞かされて「完全にショックを受けた」と語った。

 そして、今大会の3回戦でコートに立たなかったのは、そのときの感情が押し寄せて「パニックに襲われたのが棄権の理由だった」とし、「表向きには『個人的な理由』となっているけれど、実際には呼吸困難で、ヒステリーになっていたと言えるかもしれない」と説明した。

 ロシアが同盟国ベラルーシの支援でウクライナに侵攻してからのこの1年以上、テニス界は戦争が及ぼしている影響に対処する日々が続いている。

 ロシアとベラルーシの選手は現在、WTAと男子プロテニス協会(ATP)から中立旗の下でプレーすることが認められており、ウクライナの選手は大会で両国の選手と対戦する機会がある。

 昨年のインディアンウェルズ(Indian Wells、BNPパリバ・オープン)大会から、18大会中9大会で途中棄権や不戦敗に終わっているツレンコは、他のウクライナ選手とともに「スティーブ・サイモンのような人間がどうしてWTAのリーダーでいられるのか、そしてそのことについてどうすべきか疑問を投げ掛けるため」に、WTA理事会に対して電話会議を開くことを要請したとも語った。(c)AFP/Rebecca BRYAN