【3月12日 AFP】ロシアの民間軍事会社ワグネル(Wagner)の創設者エフゲニー・プリゴジン(Yevgeny Prigozhin)氏は11日に公開されたビデオ映像で、ワグネル戦闘員がウクライナ東部の激戦地バフムート(Bakhmut)中心部に迫っていると主張した。

 砲声が鳴り響く中、戦闘服に身を包んだプリゴジン氏は高層ビルの屋上で別の建物を指さしながら、「あれが市庁舎だ。市の中心だ」とし、「ここから1.2キロの地点にある」と語った。

 その上で、現時点で最も重要なのは軍からさらなる弾薬が提供され、「前進する」ことだと強調した。

 一方、ウクライナ陸軍のオレクサンドル・シルスキー(Oleksandr Syrsky)司令官はこの日、自軍はバフムートを死守し、敵に甚大な損害を与えているとし、「兵力を増強し、反攻に出るための時間を稼ぐ必要がある。反攻は遠くない」と述べた。

 英軍情報部門は、「バフムートの中心を南北に貫く幅200~800メートルの低地を流れるバフムートカ(Bakhmutka)川の西側をウクライナ軍が支配しており、主要な橋を破壊した」と指摘。川周辺が「キルゾーン(戦闘が集中的に行われる場所)」になっており、ワグネル部隊の進撃を困難にしている公算が大きいと分析している。(c)AFP