【3月9日 AFP】スペイン南部アンダルシア(Andalusia)州の裁判所は、25年間ただで家事労働させたとして、離婚した元妻に約20万ユーロ(約2900万円)を支払うよう元夫に命じた。AFPが7日、裁判記録を確認した。

 夫婦は婚姻中に得た財産はそれぞれに帰属する取り決めを交わしていた。元妻は結婚以来、家事労働のみを行っていたため帰属する財産がなかった。

 裁判所は、婚姻期間の1995年6月から2020年12月中の年間最低賃金に基づき、元妻が得るはずだった収入20万4624.86ユーロ(約2960万円)の支払いを元夫に命じた。

 元夫はまた、娘2人の毎月の養育費も支払うよう命じられた。娘の1人は未成年で、もう1人は成人している。

 元妻はスペインのラジオ局カデナ・セル(Cadena Ser)に出演し、元夫は妻が家の外で働くことを望まなかったが、自身が経営するジムでは働かせていたと語った。ジムでは広報や監視員を務めたという。

 それ以外は「家事に専念し、夫と家の面倒を見た」「元夫は私だけに家事をやらせたため、それ以外はほとんどなにもできなかった」と述べた。

 元妻は今回の裁判所命令について、「当然のことで、とてもうれしい」とコメントした。(c)AFP