男女間賃金格差の解消進まず、原因は「母親ペナルティー」
このニュースをシェア
【3月8日 AFP】国際監査法人プライスウォーターハウスクーパース(PwC)は7日、経済協力開発機構(OECD)加盟国全体で過去10年間、男女間賃金格差の解消が遅々として進まなかった最大の要因は、女性が育児によって被る生涯賃金の減少を意味する「母親ペナルティー」だと結論付ける調査報告書を公表した。
2021年のデータを使用した最新の調査報告書「働く女性インデックス(Women in Work Index)」2023年版によると、時給の中央値で比較した男女間の賃金格差は14%で、2011年からの縮小幅はわずか2.5ポイントだった。
報告書は「母親ペナルティー」について、「女性が出産後に復職する際に経験する不完全就業(パートタイムや能力が生かされない雇用状態)やキャリアの遅れによって引き起こされ、世界のほぼすべての国で女性の育児負担が多く不公平なことで永続化している」と指摘している。
英国では「子育て費用の高騰」や「共有両親休暇を取得する男性の少なさ」によって男女間の格差が拡大している。
母親と家族にかかる負担を軽減し、女性の「無償ケア労働」を減らす一助として、子育て費用を安く保つのが重要だという。無償ケア労働を男女に平等に分担させるには、政策的解決が必要だという。
働く女性インデックスの上位3か国は、ルクセンブルク、ニュージーランド、スロベニアだった。英国は14位だったが、先進7か国(G7)中では最も順位が高かった。カナダは18位、ドイツは21位、フランスは23位、米国は25位、日本は28位、イタリアは30位だった。(c)AFP