【3月8日 AFP】タイの刑事裁判所は7日、不敬罪に問われたナラトーン・チョットマンコンシン被告(26)に禁錮2年を言い渡した。被告は黄色いアヒルが登場する風刺的なカレンダーを販売していた。

 販売されていたのは2021年のカレンダーで、ゴム製アヒルが国王に似たポーズをしているとして有罪となった。タイの不敬罪は世界で最も厳格とされており、1件につき最大禁錮15年が科される。

 2020年、民主派デモの参加者が警察の放水を防ぐ盾にアヒルの浮具を使ったのを機に、黄色いアヒルは抗議のシンボルとなっている。
 
 人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は判決について、「当局は君主制を侮辱していると見なされる行為すべてを処罰しようとしている」との見方を示した。

 HRWアジア局長のエレイン・ピアソン(Elaine Pearson)氏は「タイが権利を尊重する民主主義国に近づくのではなく、遠ざかっているというメッセージを国内外に送るものだ」と非難した。(c)AFP