【3月7日 AFP】米国のロイド・オースティン(Lloyd Austin)国防長官が7日、事前の発表なくイラクを訪問した。サダム・フセイン(Saddam Hussein)政権崩壊につながった、米主導のイラク戦争開戦から20年という節目を2週間後に控える中での訪問となった。

 オースティン氏は首都バグダッドへの到着に際し、「米・イラクの戦略的パートナーシップを再確認するために、私はこの地を訪れた。より安全で、安定し、独立したイラクを目指していくために」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 イラク戦争の開戦から、20日で20年を迎える。同国では終戦後も内戦状態が続いて多数が犠牲となり、最近になってようやく収束の兆しが見え始めている。

 オースティン氏に先駆け、イラン、ロシア、サウジアラビア各国の外相のほか、国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長もイラクを訪問した。

 米主導の連合軍が、イスラム教スンニ派(Sunni)が多数を占めたフセイン政権を崩壊させて以来、シーア(Shiite)派が政府を運営してきた。

 続く歴代政府は、同じくシーア派が支配する隣国イランと関係を強化した一方で、イランの宿敵である米国とも関係を維持するなど難しいバランスを保ってきた。

 イラクは2021年末に米主導の連合軍による戦闘任務を終えると発表。しかし一部の部隊は、助言や訓練を行うためにイラクに残留している。(c)AFP