【3月7日 AFP】国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は6日、女性の権利確立に向けた進歩が世界中で「消滅しつつある」として、ジェンダー平等の実現にはさらに300年を要するとの悲観的な見方を示した。

 グテレス氏は8日の国際女性デー(International Women's Day)を前に国連総会(UN General Assembly)で演説し、「ジェンダー平等はますます遠のいている。今のペースでは目標実現までに300年はかかるとUNウィメン(UN Women)はみている」と語った。

 さらに「女性の権利は世界中で踏みにじられ、脅かされ、侵害されている」として、妊産婦死亡率の高さや教育を受ける機会の剥奪、無給のケア労働、児童婚などを列挙。「何十年もかけて達成してきた進歩が目の前で消滅しつつある」と警鐘を鳴らした。

 特にイスラム主義勢力タリバン(Taliban)が復権したアフガニスタンでは、「女性と少女が公の場から締め出されている」と強調。具体的な国名は挙げなかったが、「多くの場所で女性のリプロダクティブ・ライツ(性と生殖に関する権利)が後退し、一部の国では女子生徒が拉致・攻撃される危険もある」と訴えた。(c)AFP