【3月7日 CGTN Japanese】中国の最も美しい「海女」と呼ばれる唐立梅(Tang Limei)さんがこのほど、若者の間で人気を集めています。農村部出身の女性が若手科学者になったという人生ストーリーが広く注目され、唐さんは招きに応じて、多くの学校で科学知識普及の講座を行っています。

 唐さんは講座で、「科学者は危険であることを理由に、未知の分野における模索をやめることは一度もない。人生を歩むには必ず目標を立て、情熱を持って頑張ることが必要だ。自分を乗り越えることが最も大切だ。勇気を出して人生の道を歩もう」と子どもたちを励ましています。

 唐さんは1981年に中国北部の河北省(Hebei)保定市(Baoding)蠡県にある小さな村に生まれました。幼い頃から成績が優秀だった唐さんは大学の入学試験に失敗したため、志望校に進学できませんでした。しかし、大学時代に勉強をしながらアルバイトも頑張った結果、中国東部にある名門校・浙江大学の大学院に合格し、科学研究の道を歩み始め、卒業後、中国自然資源部の地質科学者になりました。

 2013年、有人深海探査艇「蛟竜号」に乗って、太平洋北西部の采薇ギュヨー(Caiwei Guyot)に赴き、科学調査を行った唐さんは中国でこのミッションを遂行する最初の女性科学者になりました。唐さんは深さ2774メートルの場所から海水、岩、沈積物、海底生物などのサンプルを採取し、ネットユーザーに中国で最も美しい「海女」と呼ばれるようになりました。

 2017年、唐さんは南極に向かい、科学調査を始めました。唐さんは2回にわたって科学調査船「雪竜号」に乗って南極の科学調査を行い、南緯45度から60度に位置する、サイクロンが頻繁に起こる「悪魔の偏西風地帯」を4回渡り、南極大陸の地形とその変化の特徴を詳しく記録しました。唐さんは日記に、「私たちが南極で踏み出したすべての一歩は、人類にとっての初めての一歩になるかもしれないし、同時に、自分の人生にとって最後の一歩になるかもしれない。科学研究の世界においては、うれしくて素晴らしい時期にも、困難で複雑な時期にも、私の情熱はいっぱいある」と綴っています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News