【3月4日 AFP】仏当局は3日、北西部ノルマンディー(Normandy)地方の海岸に2トン以上のコカインが漂着したニュースを見て大勢が現地に殺到している事態を受け、「ナルコ・ツーリズム」と呼ばれる行為の危険性について警告した。

 これまでにネビルシュルメール(Neville-sur-mer)、オモンビルラロギュ(Omonville-la-Rogue)、ルビル(Reville)などの海岸で、末端価格で計1億5000万ユーロ(約217億円)に相当する防水袋入りのコカインが見つかっている。

 ルビルの首長は仏紙パリジャン(Parisien)に対し、「海はいろいろなものを運んでくるが、明らかに極めて異例だ」として、「四輪駆動車や新車、四輪バイクに乗った人々がビーチに押し寄せている。中にはヘッドランプをつけて夜明けにやって来る人もいる」と述べた。

 フィリップ・アストリュク(Philippe Astruc)検事は会見で、コカインの所持・運搬は10年以下の禁錮刑を科される犯罪だとして、「ナルコ・ツーリズム」と呼ばれる行為について警告した。

 さらに、コカインの純度は80~90%で、路上で密売人が一般的に売られているものよりはるかに高く、使用した場合、深刻な健康被害を招く恐れがあると述べた。

 近隣のビーチでは武装した警察官が巡回し、海上に不審物がないかを確認するためヘリコプターも投入されている。

 捜査当局は漂着したコカインについて、密売人が逮捕を免れるために海に投棄したのか、悪天候で船から落下したのかは今のところ不明だとAFPに語った。(c)AFP