【3月2日 CNS】「従来の研究開発のスピードとシステムのままでは、トヨタ(Toyota)は永遠に追従者に甘んじるしかない」。トヨタ中国市場営業・広報部長である徐一鳴(Xu Yiming)氏は、トヨタがテスラ(Tesla)を全面的に模倣し、テスラなど「造車新勢力」と称される新興EVブランドの経験を全面的に模倣しても、迷走するだけだろうと述べた。

 トヨタが最近出したレポートによると、トヨタは、2022年に世界での販売台数は約1048万3000台となり、前年比で0.1%微減となった。同時に、トヨタの中国における新車販売台数も、この10年で初めての減少を記録した。全国乗用車市場信息聯席会(CPCA)のデータによると、2022年、トヨタの中国における新車販売台数は194万600台で、前年比0.2%減となった。

 トヨタの中国における販売は減少しているが、中国全体の自動車販売台数は増加し続けており、新エネルギー自動車は徐々に従来のガソリン車の市場シェアを奪ってきている。

 実際、トヨタはすでに新エネルギーへの転換に向けた歩みを開始してはいたものの、その注力はハイブリッド車(HEV)や水素燃料電池車に向かっていて、純電気自動車(BEV)市場への全面的な進出は進めていなかった。

 しかし、2021年からは、世界的に純電気自動車が急速に普及してきた。電気自動車業界のトップ企業であるテスラを例に挙げると、2021年のテスラの世界販売台数は93万6200台で、前年比87.2%増、2022年には131万3900台に達し、前年比40%増を超えた。

 市場の変化に対応するため、トヨタも調整を進めている。

 1月26日、トヨタ自動車は、今年4月1日から社長職を13年間務めた豊田章男(Akio Toyota)氏が退任し、会長職に就任すると同時に、トヨタの最高ブランド責任者である佐藤恒治(Koji Sato)氏が新社長に就任することを発表した。

 今回の人事調整後、新社長に就任する佐藤恒治氏は初めて公の場に登場し、トヨタの電気自動車転換の方向性を明確にした。

 徐一鳴部長によると、トヨタの新旧2人の社長が4月1日に正式に引き継いだ後、取締役会の承認を得て、トヨタは世界的によりスマート化、電気化、及びカーボンニュートラルへの新たな具体的措置を発表する予定だ。また、今年の上海国際モーターショーで、トヨタは中国の2社のパートナーと共に新しいスマート化と電気化戦略を発表する予定だ。

 現在、中国の新エネルギー自動車市場は非常に激しい競争を呈している。伝統的な自動車メーカーの戦略転換の余地はますます狭まり、新興EVメーカーが市場を急速に占め始めている。徐一鳴部長は、トヨタのような「大船」なら、変革意識を持ち、危機を現実のチャレンジに変える考えさえあれば、必ず適切な変化と行動を迅速に行えると考えている。
 
 変化の中で、世界最大の自動車メーカーの一つであるトヨタはどのような答えを出すことになるのだろうか?外部は注目している。(c)CNS/JCM/AFPBB News