【2月15日 CNS】厳格な新型コロナウイルス対策が緩和された中国で、多くの市民が3年ぶりに春節(旧正月、Lunar New Year、今年は1月22日)連休中に実家へ帰省した。その中で、「電気自動車(EV車)を使った帰省は時間がかかる」ということが話題になった。

 南部の広東省(Guangdong)深セン市(Shenzhen)に住む張傑(Zhang Jie)さんは、新しく買ったEV車で西部の江西省(Jiangxi)にある実家に帰省した。ただ、以前乗っていたガソリン車では8時間しかかからなかったのに、今年はEV車の充電時間などを含めて15時間もかかった。

「高速道路のサービスエリアに充電スタンドはあるが、行列を並ばなければならなかった。帰り道では計3回充電したが、毎回約2時間待つことになった。充電時間も1時間はかかった」

 充電の難しさは往復の道路の上だけでなく、故郷に戻ってからも同じだ。充電スタンドなどが少ないのだ。

「中国北部の北京市・天津市(Tianjin)・河北省(Hebei)地域と南部の珠江デルタ地域には多数の充電施設があるが、西部の内陸部には充電施設がまだ比較的少ない」と江西新エネルギー技術専門学校の新エネルギー自動車技術研究所の張翔(Zhang Xiang)所長は語る。

 中国自動車ディーラー協会新エネルギー車支部の章弘(Zhang Hong)事務局長は「メーカーや事業者は充電設備の普及に意欲的だが、まだまだ稼働率が低く、消費者は充電施設が少なすぎると不満を漏らしている」と話す。

 充電設備の普及が進まない理由について、張所長は「高速道路サービスエリアの充電施設の稼働ピークは休日であり、平日の稼働率は高くないため、経営上は損失が発生しやすい状況だ」と指摘している。(c)CNS/JCM/AFPBB News