【3月2日 AFP】ルーマニアのニコラエ・チウカ(Nicolae Ciuca)首相は1日、国内で開発された人工知能(AI)アシスタント「ION」を政府の「名誉顧問」に任命したと発表した。「AIを搭載した世界初の政府顧問」だとしている。

 IONは鏡のような形状で、音声で対話できる。チウカ氏はIONの主な任務について、ソーシャルネットワークから「国民の提案や要望をリアルタイムに」拾い上げ、政府に伝えることだと説明。政府文書によると、IONは「ソーシャルネットワーク上の情報」を用いて「テクノロジーとAIで世論を把握する」仕組み。

 この日公開されたIONは「こんにちは。私は命を与えられました。鏡のように皆さんの声を代弁するのが役目です。ルーマニアについて知っておくべきことは何ですか」と、穏やかにあいさつした。

 国民もウェブサイト上でIONとチャットできるようになる。

 チウカ氏は「情報に基づきより良い意思決定をするためにAIを活用するのは選択肢の一つではなく、(政府の)義務だと確信している」と語った。(c)AFP