【3月1日 AFP】デンマーク議会は2月28日、国防予算増額のための財源を確保するため、祝日を1日減らす法案を可決した。賛成が95、反対は68だった。ロシアのウクライナ侵攻を受けて国防を強化する必要性が高まっていることが背景にある。

 廃止されるのは、17世紀から続くキリスト教の祭日「祈とう日」。廃止に伴い労働者1人当たりの労働時間が7.4時間増え、30億クローネ(約580億円)の歳入増につながると政府は説明している。

 デンマークは、北大西洋条約機構(NATO)が設定している、国防費を国内総生産(GDP)の2%にまで引き上げる目標の達成を目指しており、増収分を充てる方針。目標達成時期は当初、2033年を想定していたが、ロシアのウクライナ侵攻を受け2030年に前倒しした。

 祝日廃止案は論議を呼び、2月初めには首都コペンハーゲンの議会前で約5万人の抗議デモが行われた。(c)AFP