【2月28日 AFP】新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)は中国の研究所から流出したウイルスが原因である可能性が高いとする米エネルギー省の調査報告が報じられたのを受け、中国は27日、報道内容を否定した。

 エネルギー省は当初、新型コロナが広がった経緯は不明としていたが、連邦捜査局(FBI)に続き、同省も、ウイルスは中国の研究所での事故によって漏出したとする説に転換したとされた。

 中国はこれを否定。外務省の毛寧(Mao Ning)報道官は記者会見で、「中国と世界保健機関(WHO)の専門家が導き出した信頼すべき科学的な結論では、実験室からのウイルス流出はあり得ないことが確認されている」と指摘。「研究所由来説をあおって中国を中傷し、ウイルスの起源をめぐる問題を政治問題にすり替えるのはやめるべきだ」と語った。

 WHO側は、米エネルギー省の調査報告に関する情報は受け取っていないとしている。タリク・ヤシャレビチ(Tarik Jasarevic)報道官はAFPに「入手し得るあらゆる科学的証拠」の精査を続けていると説明。「さらなる証拠が集まるまで、すべての仮説を検討しているところだ」と述べた。

 米国のジェイク・サリバン(Jake Sullivan)大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は26日、CNNに対し、「現時点ではこの問題に関して情報機関全体としての統一見解は出ていない」と語っていた。(c)AFP