愛は景気も良くする? 中国の消費を活性化する「ロマン経済」
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【2月27日 東方新報】厳格なゼロコロナ政策が緩和された中国で、今年の2月14日の「情人節(バレンタインデー)」はカップルらが食事や贈り物を楽しんだ。国内の消費を活性化させる効果があり、「ロマン経済」と呼ばれている。
食事ネットサービス大手「美団(Meituan)」では、2月13日に「デート レストラン」のワード検索量が昨年の4倍以上となった。北京市や上海市、広州市(Guangzhou)、成都市(Chengdu)など各都市の人気レストランは2月14日の夕方から夜まで予約で満席に。外国人向けのおしゃれな店が多く「北京の六本木」とも呼ばれる北京市の三里屯(Sanlitun)通りのレストランでは「1か月前から予約が埋まっていた」と話す。
日本のバレンタインデーは一般的に女性が男性に贈り物をするが、中国では男性が女性にプレゼントをする。特に赤いバラは定番だ。通常は1束(20本)の価格が25~35元(約489~685円)ほどだが、バレンタインデーの時期は数倍に値上がりし、地域によって150元(約2938円)にまで跳ね上がった。「1本ごとのばら売りはしません。1束以上から販売します」という生花店も多かった。
このほか、女性向けの衣服やバッグ、美容機器、貴金属類も売り上げが増加。高級ジュエリーブランドの周大福(Chow Tai Fook)や周大生(Chow Tai Seng)、六福珠宝(Lukfook Jewelly)の店舗では、ゴールドやダイヤモンドを選ぶカップルの姿が目立った。
中国では近年、若い女性を中心に「頑張っている自分へのごほうび」として高級品を買うことが増え、「彼女経済」や「悦己(自己満足)経済」と言われている。今年のバレンタインデーでも、自分のためにプレゼントを買う女性が多かったという。上海市で高級バッグを買った20代の女性は「バッグを二つ買うと20%割引してくれるお店に行ったら、私が自分へのプレゼントに買うと知った店員さんが、バッグ1個でも割引してくれました」と笑顔を浮かべた。
中国では春節(旧正月、Lunar New Year、今年は1月22日)から元宵節(旧暦の1月15日、今年は2月5日)にかけて、家族や友人同士で食事や買い物を楽しむのが習慣。コロナ禍がピークを越えた今年は各地で久しぶりのにぎわいを見せていた。今年はさらに春節期間に近かった2月14日のバレンタインデーが「消費のバトン」を受け継ぐ形に。「ロマン経済」が国内景気の底上げにもつながっている。(c)東方新報/AFPBB News