【2月26日 CNS】最近、中国最大規模の新しい茶系飲料ブランドの「蜜雪氷城(Mixue)」が日本市場に進出し、表参道に日本での初店舗を出店することを発表した。表参道は、日本の高級なラグジュアリー消費文化の象徴だが、中国では普通のミルクティーは400円も超えない。両者は矛盾しているが、かえって中国の新しい茶系飲料の急速な発展と、その海外での生き残り戦略を反映している。

 持続的な成長期にある中国の新しい茶系飲料産業は、海外市場に目を向けている。中国チェーン店経営協会(CCFA)の「2022新しい茶系飲料研究報告」によると、中国の新しい茶系飲料マーケットは現在、安定した成長期にある。2022年末には、約48万6000もの新しい茶系飲料の店が営業中で、2022年10月末まで、「蜜雪氷城」は2万3295店舗で首位に立っている。新しい茶系飲料市場規模は、2017年の422億元(約8218億円)から、2021年には1003億元(約1兆9532億円)に成長し、年間複合成長率は常に20%を超えている。

 しかし、急速に発展する業界での競争は激しく、新しい茶系飲料の企業の生存率は高くはない。そのため、トップ企業は海外市場でのブレークスルーを模索する一方、中小企業も海外市場に生き残りの希望を託すようになった。

「蜜雪氷城」は、中国で超低価格の1杯約160円で販売するミルクティー商品で、県城(県人民政府の所在地)や郷・鎮(日本の町村に近い)などの下沈(かしん、中国の3級都市以下の都市および農村)の市場を成功裏に占有している。高品質と低価格がこのブランドの成功の秘訣であり、現在の中国の新しい茶系飲料の海外戦略の縮図でもある。海外市場で引き続き低価格戦略を推し進める「蜜雪氷城」は、韓国にも店舗を進出させ、好評を得ている。そして、日本での新しい店舗の選定で逆の路線をとったことも、市場からは巧みなマーケティング技術と見なされている。

 実際、日本市場に進出する前に、「蜜雪氷城」は東南アジア地域で500以上の店舗を展開しており、「霸王茶姬(CHAGEE)」「貢茶(Gong cha)」といった中国の新旧のミルクティーブランドも、東南アジアを含め、世界的に人気を集めている。違いは、台湾発の「貢茶」が先駆者として、中国式ミルクティーの世界的なブームを最初にけん引したことに対し、「霸王茶姬」は再度海を越え、「中国風」で若者の心を掴んだ点にある。

 中国の新しい茶系飲料は、新たな道を拓き、国境を越え、過度に激しい国内競争に巻き込まれることを避け、「中国茶」で新しい中国風トレンド文化を世界に普及させている。

 中国のアナリストは、他の低価格な中国の新しい茶飲料ブランドとは異なり、「霸王茶姬」を代表とする「中国風」のテーマ文化系消費飲料は、海外の顧客により好まれていると指摘している。したがって、30年近くものタピオカミルクティーの消費の歴史がある日本市場においては、品質を保証する前提で、伝統文化を看板にすることがより良い選択であると考えられている。(c)CNS/JCM/AFPBB News