中国ジャイアントパンダ研究の第一人者が死去
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【2月23日 CGTN Japanese】ジャイアントパンダ生態生物学の創始者で西華師範大学教授、「中国ジャイアントパンダ研究の第一人者」と呼ばれる胡錦矗(Hu Jinchu)氏が先日、病気のため亡くなりました。94歳でした。
胡氏が先頭に立って行った中国初のジャイアントパンダ野外調査では、野生ジャイアントパンダ研究の「胡氏方法」が発明され、世界初のジャイアントパンダ野外生態観察ステーションが設立され、多くの優秀な人材を育成しました。そのため、同氏は「国宝を守る国宝」(中国ではジャイアントパンダは国宝と呼ばれる)とも呼ばれています。
胡氏は1929年、中国南西部に位置する四川省(Sichuan)開江県(Kaijiang)で生まれました。四川省の有名な野生動物専門家として45歳の時に指示を受けて臥龍自然保護区に入り、四川省貴重動物資源調査隊を結成し、全国初のジャイアントパンダ野外調査研究をリードしました。当時の任務の一つは野生のジャイアントパンダの数を明らかにすることでした。「ジャイアントパンダは年齢によって口の大きさや歯の距離が異なり、咬節(ジャイアントパンダのふんにある、竹をかんで消化した残り)の長さも異なる」。胡氏はふんの位置を記録し、その中にある竹の茎の咬節の長さを測定することでパンダの生存状態を調べました。
「咬節の長さ」でパンダの年齢を記し、また他の観察と合わせてジャイアントパンダの生態習性を記録しました。この方法は後に「胡氏方法」と命名されました。胡氏とスタッフは4年かけて、四川省、陝西省(Shaanxi)、甘粛省(Gansu)で2459頭(うち四川省が1915頭)のジャイアントパンダを探し出しました。
胡氏は1978年、臥龍自然保護区に世界初のジャイアントパンダ野外生態観察ステーションを設立しました。その後、胡氏とスタッフは同観察ステーションを始めとする7つの観察ポイント(ルート)を開き、1日1回巡視し、ジャイアントパンダの生活習性を記録、分析し、まとめました。
胡氏の率いる科学研究チームの調査状況に基づき、中国政府は四川省臥龍自然保護区を従来の2万ヘクタールから20万ヘクタールに拡張することを承認しました。さらに唐家河など5つの国家級自然保護区の設置を承認し、そこでジャイアントパンダなど多くの絶滅危惧野生動物が救われました。
胡氏は1984年から大学院生を募集し始め、84歳の高齢まで授業を続け、大学院生を100人以上育成し、中国の動物学界に多くの優秀な人材を輩出しました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News