【2月21日 AFP】(更新、写真追加)ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、ウクライナへの侵攻開始から間もなく1年となる21日、年次教書演説を行った。

 プーチン氏は政府高官や政治家らを前に、「私はこの演説を、世界中で大規模な変化が起こりつつあり、わが国にとって困難で重大なこの時に行っている」と述べた。

 ウクライナ侵攻について、「われわれは一歩一歩、慎重に整然と直面する目標を攻略していく」として、継続を強調した。

 紛争の激化については、責任は「完全に」西側にあるとの見解を示した。ウクライナの同盟諸国は兵器の追加供与を約束している。

 プーチン氏は、「ウクライナ紛争をあおり、激化させ、犠牲を出した責任は完全に西側のエリートたちにある」と指弾した。

 また、ジェンダーや性的指向をめぐる西側のリベラルな思想をしばしば批判しているプーチン氏は、西側諸国では小児性愛が「普通」になっていると主張した。

「(西側指導者が)自国民に対して行っていることを見よ。家族観や文化、国家のアイデンティティーを破壊し、小児性愛に至るまでありとあらゆる児童虐待、つまり倒錯が、普通のことと喧伝(けんでん)され、司祭は同性婚を祝福するよう強要されている」と述べた。

 さらにプーチン氏は、ロシアと米国の最後の核軍縮条約である「新戦略兵器削減条約(新START、New START)」への参加を一時停止すると発表した。

「ロシアは新STARTへの参加を一時停止すると表明しなければならない」と述べた同氏は、「世界の戦略的均衡を崩し得るという幻想を抱くべきではない」と述べた。

 プーチン氏の演説を受け、米国のジェイク・サリバン(Jake Sullivan)大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は同日、西側諸国から脅かされたとしてウクライナ侵攻を正当化するのは「不条理」だと批判した。

 サリバン氏は記者会見で、「誰もロシアを攻撃していない。ウクライナやその他の国から軍事的脅威にさらされていたという考えにはある種の不条理がある」と指摘した。(c)AFP