【2月18日 CNS】中国で春節(旧正月、Lunar New Year、今年は1月22日)連休中、内陸部の四川省(Sichuan)楽山市(Leshan)にある楽山大仏(Leshan Giant Buddha)風景区のチケットが4日間連続で完売となり、24時間に10万人の観光客が訪れるという歴史的記録を打ち立てた。四川省文化観光局によると、春節休暇中に四川省が受け入れた観光客数は国内で第1位となった。

 今年の春節休暇中の国内観光旅行は前年同期比23.1%増の約3億人。新型コロナウイルスの感染拡大前の2019年の88.6%まで回復した。観光収入も前年比30%増の3758億元(約7兆3531億円)に達した。

 中国に31ある省・自治区・直轄市の中で四川省は春節連休中に合計5387万人の観光客を受け入れ、観光収入は242億元(約4735億円)になった。受け入れ人数ベースで2019年の春節の89%まで回復した。

 四川師範大学(Sichuan Normal University)歴史文化観光学院の陳乾康(Chen Qiankang)教授は「春節に四川省を訪れる理由は大きく二つあり、一つ目は帰省。二つ目は観光だ」と指摘する。

 四川省では景勝地のチケット割引政策を実施しており、アバ・チベット族チャン族自治州(Ngawa Tibetan and Qiang Autonomous Prefecture)やカンゼ・チベット族自治州(Ganzi Tibetan Autonomous Prefecture)、涼山イ族自治州(Liangshan Yi Autonomous Prefecture)、攀枝花市(Panzhihua)などの有名な観光スポットは「チケット1枚買うと、もう1枚無料」という優遇策を導入している。

 さらには、四川省全体が共同で「快適な四川新体験」の活動を展開し、消費クーポン、割引クーポンなど、オンラインとオフラインを組み合わせた「大ギフトパッケージ」を発行した。その総額は7400万元(約14億円)以上。成都市(Chengdu)の消費者クーポンの注文総額は1800万元(約3億5219万円)を超えている。

 四川省文化観光局は、さまざまな優遇政策が強力な文化観光消費を刺激しているため、2023年は春節観光客の消費が省全体の消費の34%を占め、2022年より3.6%増加する見通しだと公表した。また、夜間の消費が大幅に増加し、ナイトツアー、ナイトドリンク、ナイトエンターテインメント、ナイトショッピングなどの「ナイト消費」も目玉となってきた、春節連休中の観光分野の消費額は前年比40%増の523億元(約1023億円)に達し、通年の消費額の28%をも占めているという。(c)CNS/JCM/AFPBB News