【2月16日 AFP】口からのんで腸内を追跡できるセンサーや、振動によって便秘を解消するカプセルなど、消化器疾患の治療や診断の現場に超小型ロボットが投入されつつある。

 米保健当局によると、米国の成人100人のうち約16人が便秘に苦しんでいる。60歳以上では倍増するという。

 口からのむ診断センサーの開発に携わった米カリフォルニア工科大学(Caltech)博士課程のサランシュ・シャルマ(Saransh Sharma)氏は、超小型医療ロボットは「成長著しい分野」で、「口腔(こうくう)から体内に送り込むだけでさまざまなことができる」とAFPに語った。

 同大とマサチューセッツ工科大学(MIT)のチームは、通過する消化管をモニターできる長さ20ミリ、直径8ミリの磁気センサーを開発した。食物の正常な移動を妨げる消化管運動機能障害の診断に役立つという。内視鏡検査などの侵襲的な処置や、核医学イメージング、X線、カテーテルなどの検査技術に替わる可能性もある。

 すでにブタでの試験を終え、米食品医薬品局(FDA)の承認後に臨床試験を進めたいとしている。研究成果は13日、専門誌「ネイチャーエレクトロニクス(Nature Electronics)」に発表された。

■振動カプセル

 一方、イスラエルの医療器具メーカー「バイブラント・ガストロ(Vibrant Gastro)」は、振動によって慢性便秘症を解消する錠剤形の「バイブラントカプセル」を最近米国で販売開始した。

 同社によるとカプセルが穏やかに振動して結腸を刺激し、便通の回数と頻度を増加させる。下剤による治療を1か月続けても改善がみられない患者が対象で、薬品は使用しない。

 300人を対象とした第3相臨床試験では、効果のない疑似カプセルを使用した被験者に比べ、便通頻度が有意に増加したという。(c)AFP/Lucie Aubourg and Chris Lefkow