【2月15日 AFP】アフガニスタンの首都カブールでは14日、イスラム主義組織タリバン(Taliban)がバレンタインデーを禁止したため、しおれたバラの花束や売れ残りの風船を手に、露天商らが悲痛な面持ちで客待ちをしていた。

 アフガンではバレンタインデーはそれほど広がっていないが、近年は都市部富裕層の間で祝う習慣となっていた。だが今年、カブールの有名なフラワーストリート(Flower Street)に立ち並ぶハート形の花輪やぬいぐるみを売る店は閑散としていた。

 ある店の窓には、「恋人たちの日を祝うな!」と警告する勧善懲悪省のポスターが貼られていた。バレンタインデーは「イスラム教でも、アフガニスタンの文化でもなく、異教徒の呼び掛けている日だ」「恋人たちの日を祝うことは、ローマ教皇に同情するに等しい」と書かれていた。

 武装した護衛を連れた勧善懲悪省の職員が、カブールの街中を巡回していた。

 匿名で取材の応じた生花店の店主は「(タリバンは)禁止令をすべての店に配布した」とAFPに語った。「きょうは花が売れるとは思えない。誰も買っていない。客はいないし、ひどい状況だ」

 若いカップルがいそいそと花を買ったが、道徳警察がパトロールしているのを目にしてサッとその場を離れた。(c)AFP