【2月11日 AFP】シリアの救助ボランティア団体「ホワイト・ヘルメット(White Helmets、正式名称:シリア民間防衛隊)」は10日、同国とトルコに壊滅的な被害をもたらしたマグニチュード(M)7.8の地震で、国連(UN)はシリア北西部の反体制派支配地域への対応を誤ったと非難した。

 ホワイト・ヘルメットは10年以上にわたる内戦で培った経験を生かし、外部からの支援をほとんど受けられない反体制派支配地域で救助活動の陣頭指揮を執っている。

 ラエド・サレハ(Raed Saleh)代表はAFPに対し、6日の地震発生以来、国連機関は被災者への支援活動を一切行っていないと指摘。「国連はシリア北西部の住民に対する罪を犯した」「国連はシリア国民に謝罪しなければならない」と訴えた。

 一方、国境警備隊員によると、国連の救助隊の第2陣が10日、トルコからシリアの反体制派支配地域に入った。

 国際移住機関(IOM)のポール・ディロン(Paul Dillon)報道官はスイス・ジュネーブで記者会見し、トラック14台で「人道支援キット、太陽光ライト、毛布など」食料品以外の物資を運んだと発表。これらの支援物資で、シリア北西部イドリブ(Idlib)県の被災地の1100家族を十分賄えると説明した。

 IOMは、9日には第1陣が5000人分の基本的な救援物資を反体制派支配地域に届けたとしている。(c)AFP