【2月11日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は10日、同国を侵攻するロシアと同盟国ベラルーシの選手の2024年パリ五輪参加が認められれば、「暴力の体現」になると主張した。

 国際オリンピック委員会(IOC)は先月、ロシアとベラルーシの選手が中立旗の下でパリ五輪に出場できる「道筋」を検討していることを発表。これにウクライナ側は猛反発し、ゼレンスキー氏は大会のボイコットも辞さない姿勢を示している。

 これに対してIOCのトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は、ウクライナのボイコットの呼び掛けは「われわれが支持する原則に反する」と反論している。

 しかし、ゼレンスキー氏は約30か国のスポーツ相が出席したオンライン会議で、「五輪競技が殺りくとミサイル攻撃だったら、どの国が1位を占めるか分かるだろう」と述べ、「テロ国家の代表の存在は、それだけで暴力や無法の体現になる」と主張した。

 さらに、ロシアによる侵攻でウクライナの選手やコーチら少なくとも228人が死亡したとした上で、戦争反対を表明しているロシア選手の数は極めて少ないと指摘し、「(ロシアの五輪参加を)見せかけの中立旗や白旗でごまかすことはできない」と訴えた。(c)AFP