【2月9日 AFP】米国は8日、今月飛来した中国の「偵察気球」は、世界中に展開する「部隊」の一部だとの見解を示した。

 米国のアントニー・ブリンケン(Antony Blinken)国務長官は、日韓訪問後に首都ワシントン入りした北大西洋条約機構(NATO)のイエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長と共同会見し、中国の「偵察気球」が、世界中に展開している可能性を指摘した。

「米国だけではなく、五大陸にまたがる国々の主権を侵害している」と述べ、回収された残骸から得たデータをホワイトハウス(White House)と米大使館を通じて数十か国と共有していると説明した。

 ストルテンベルグ氏も、気球飛来はNATO諸国が自衛する必要性を示していると述べた。

 米大統領専用機内で取材に応じたカリーヌ・ジャンピエール(Karine Jean-Pierre)大統領報道官も、今回の気球は数年前から世界中で目撃されている「部隊」の一部だと述べた。

 米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)は米政府高官の話として、中国の「偵察気球」の一部は同国南部の海南(Hainan)島から出撃し、日本やインド、台湾などの近隣の敵対勢力の軍事施設を偵察していると報じた。(c)AFP