スコットランド女王メアリーの暗号書簡解読
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■愚痴や息子のことも
書簡の大半は、メアリーの支持者で駐英フランス大使のミシェル・ドカステルノーモービシエール(Michel de Castelnau Mauvissiere)に宛てたものだった。
メアリーは「賢明」で、今回発見された書簡の中で女王の暗殺計画については触れていなかったとラスリー氏は指摘している。
代わりにメアリーは書簡で、自分の件について外交的に懇願し、うわさ話をし、病気や敵対していた人々について愚痴をこぼしている。息子のスコットランド王、ジェームズ6世(James VI)が誘拐された時には心痛を吐露していたという。
英国の歴史家ジョン・ガイ(John Guy)氏は、文学的・歴史的「センセーション」だとし「スコットランドの女王メアリーについて、ここ100年で最も重要な新発見だ」と述べた。同氏によるメアリーの伝記は、2018年にシアーシャ・ローナン(Saoirse Ronan)主演で『ふたりの女王 メアリーとエリザベス(Mary Queen Of Scots)』として映画化された。
英グラスゴー大学(University of Glasgow)のスコットランド史専門家、スティーブン・リード(Steven Reid)氏はAFPに、メアリーに関する既存の伝記が改められる可能性があるとし、今回の発見はメアリーが暗号で書いた他の書簡の解読を進めるにも役立つ可能性があると述べた。
メアリーの書簡の一部は今も所在が分かっていないと考えられている。フランス国立図書館のデジタル化されていない文書の精査が次の課題になるという。(c)AFP/Daniel Lawler