【2月2日 AFP】ロシア警察は1日、サンクトペテルブルク(St. Petersburg)で開催されていた反戦画家エレーナ・オシポワ(Yelena Osipova)さん(77)の個展の強制捜査を行い、作品を押収した。

 絵画展は前日、リベラル政党「ヤブロコ(Yabloko)」の支部で始まったばかりだった。

 ヤブロコによると、警察は爆破予告があったとして立ち入った。同党が引用した警察の報告書には、爆発物は見つからなかったが、「ロシア軍に関する偽の情報が含まれている恐れのあるキャンバスや厚紙に描かれた絵が壁に掛かっているのを見つけた」と書かれていた。

 絵画展には、約20点が展示されていた。作品の一つには大きな目をした少女が描かれており、ロシア語とウクライナ語で「お母さん、戦争が怖い」という言葉が添えられていた。

 オシポワさんは絵画展について、抗議活動であり「反戦展覧会」だと説明していた。

 オシポワさんは長年、反政府活動を行っており、「サンクトペテルブルクの良心」とも呼ばれている。これまでに何度も抗議活動を理由に拘束されている。

 ウクライナ侵攻開始以来、ロシアでは「戦争」「侵攻」といった言葉の使用も含め「特別軍事作戦」に対する批判が全面的に違法とされた。ロシア軍に関する偽情報を流布した場合、15年以下の禁錮が科される可能性がある。(c)AFP