【2月1日 AFP】男子プロテニス協会(ATP)は31日、アレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)によるドメスティックバイオレンス(DV)疑惑の調査結果について、告発を裏付ける「証拠は不十分」だったと発表した。これを受け、ズベレフは「正義が勝った」と判断を歓迎している。

 この件では、ズベレフから暴力を振るわれたという元恋人のオルガ・シャリポワ(Olga Sharypova)さんの告発を受け、2021年10月にATPの委託による調査が行われたが、ATPは今回の調査結果を受けて、ズベレフに処分は科さないと話した。

 当初から「根拠のない主張だ」と疑惑を否定していたズベレフは、全仏オープン(French Open 2022)で右足首の靱帯(じんたい)を断裂し、その後のシーズンを棒に振った2022年を経て、今後のキャリアに集中していくと話している。

 ズベレフは「今回の決定は、中立な第三者の裁定人がすべての関連情報を見直した上で、この件に関して明確に、情報に基づいてこちらを支持する判断を下したということだ」と発表し、「ATPの独立調査に加えて、自分はドイツとロシアで訴訟手続きを行い、どちらも勝利している」と付け加えた。

 全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2023)では2回戦で敗退し、けがの問題もあって世界ランキングは14位まで下降したズベレフだが、「この件がようやく解決してうれしいし、今の自分の優先事項はけがからの回復と、世界で最も愛するテニスに集中することだ」と話している。(c)AFP/Julian GUYER