【1月28日 AFP】男子テニスのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)の父親が、全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2023)の会場で持ち込みを禁止されているロシア国旗を手にしたファンとポーズを取る姿が撮影された問題で、大会ディレクターを務めるクレイグ・タイリー(Craig Tiley)氏は28日、大会の世界的な露出を「分断」を招く目的に利用されないよう「本当に気をつけて」ほしいと忠告した。

 ジョコビッチの父スルジャン(Srdjan Djokovic)さんは、親ロシア派オーストラリア人のユーチューブ(YouTube)チャンネルに投稿された動画で、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の顔写真が入った国旗を手にしたファンとポーズを取った。

 これにウクライナ側は反発し、スルジャンさんを出入り禁止にすることを大会側に要求した。スルジャンさんはジョコビッチが勝利した27日のシングルス準決勝の現地観戦を見合わせており、29日の決勝に姿を見せるかは不明となっている。

 豪紙エイジ(Age)で、「ジョコビッチ家とかなりの時間をかけて話した」と明かしたタイリー氏は、「私からのアドバイスは、これは国際的に重要なイベントであり、プラットフォームであるから、本当に気をつけなくてはいけない」と伝えたと述べ、「何十万もの人が入場する際は、分断を招く意図を持ってやって来る人もいるはずで、それに巻き込まれてはならない」と訴えた。

 さらに、「そのことは彼らも完全に理解している。彼らは全く大丈夫そうだった。あのような形で受け取られてしまったことを悲しんでいたが、そこに意図はなかった」と説明し、「彼の父親は特に戦争を支持しておらず、家族は平和を支持することに非常に集中している」と話した。(c)AFP