【1月28日 AFP】男子テニスのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は27日、全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2023)の会場で父親がロシア支持の旗を手にしたファンとポーズを取る姿が撮影された騒動について、誤解されたイメージで伝えられていると主張した。

 ジョコビッチの父スルジャン(Srdjan Djokovic)さんは、26日に親ロシア派オーストラリア人のユーチューブ(YouTube)チャンネルに投稿された動画で、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の顔写真が入った国旗を手にした男とポーズを取った。一部メディアでは、「ロシア万歳」とセルビア語で発言したとも伝えられた。

 これにはウクライナから大きな反発が起こり、大会に対してスルジャンさんを出入り禁止にするよう求める声が上がった。

 スルジャンさんは27日に発表したコメント文で「平和だけを祈っている」とし、「このような話題や混乱を生むつもりはなかった」と釈明。この日、息子の準決勝が行われたメルボルンパーク(Melbourne Park)にも足を運ばなかった。

 世界ランク5位のジョコビッチはこの日行われた試合後、「皆さんと同じように何があったのかこの目で見た。起きていたことが誤解され、これほど大きな騒動にエスカレートしてしまったのは残念だ」とし、「もちろん、自分にも伝わっている。昨夜までは知らなかったが、あれを見て喜ばなかったのは確かだ」と語った。

「父も家族も全員が何度も戦争を経験してきた。父がコメントしたように、自分たちは戦争に反対だ。どのような暴力や戦争も絶対に支持するつもりはない」

「皆さんに理解してもらいたいのは、戦争を主導するようなことを支持する意図は全くなかったということだ」

 ジョコビッチによると、スルジャンさんは試合後にはいつもファンに対して息子へのサポートを感謝しているといい、騒動の日もロッド・レーバー・アリーナ(Rod Laver Arena)の外でファンを迎えていたという。(c)AFP