【1月27日 AFP】南米9か国にまたがるアマゾン(Amazon)熱帯雨林の「劣化」が、これまで知られていたよりも極めて深刻で、全体の38%に上るとの研究結果が26日、米科学誌サイエンス(Science)に発表された。

 アマゾンの生態系に関するこれまでの研究は、森林伐採の影響に焦点を当てたものが多かった。しかし今回の研究では、森林火災、伐採に加え、エッジ効果の影響も調べた。エッジ効果とは、森林(生物生息地)の境界部分(エッジ)が外部から受ける影響の効果を指す。

 ブラジル・カンピーナス大学(Universidade Estadual de Campinas)などの研究者は2001~18年の衛星画像などのデータを分析した。

 この結果、対象期間中に残存する熱帯森林の少なくとも5.5%に当たる36万4748平方キロが劣化していることが明らかになった。だが、干ばつの影響を考慮すると、劣化した面積は250万平方キロと残存する森林全体の38%に上った。

 同じくサイエンス誌に、アマゾンに対する人為的影響について発表した米ルイジアナ大学(University of Louisiana)などのチームは「森林伐採という地域的な活動と、地球規模の気候変動という複合的な圧力にさらされ、ほぼ手つかずだったアマゾンの環境は急速に劣化・変容しつつある」と指摘し、対策を呼び掛けた。(c)AFP