【1月27日 AFP】26日に行われたレアル・マドリード(Real Madrid)対アトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)のサッカースペイン国王杯(Copa del Rey 2022-23)準々決勝を前に、レアルに所属するブラジル代表FWビニシウス・ジュニオール(Vinicius Junior)のユニホームを着せられた人形が橋からつるされるという事件が起きた。警察関係者は詳細を伏せつつも、捜査が行われていることをAFPの取材で明らかにした。

 問題の人形は25日深夜、レアルのトレーニング施設があるマドリード郊外バルデベバス(Valdebebas)近くの橋につるされ、「マドリードはレアルが大嫌い」と書かれた横断幕も掲げられた。このスローガンは以前にもアトレティコの過激サポーターが使用している。

 これを受け、コメントを発表したレアルは「人種差別や外国人嫌悪、ヘイトを示すおぞましい行為だ」とし、「当クラブの選手が現在受けている攻撃、あるいはアスリートの誰もが受ける可能性のある攻撃は、われわれのような社会では絶対に許容できない」と非難した。

 アトレティコも「非常にいまいましく許されない行為であり、社会の恥である」とし、「個人または組織の尊厳を攻撃する全ての行為について、われわれは断固として無条件で非難する」と表明した。

 試合はレアルが延長戦の末に3-1で勝利し、ビニシウスも終了間際にチーム3点目を決めた。ビニシウスは試合後にツイッター(Twitter)を更新し、「マドリードは一つしかない。みんな知っていることだ」とつづった。

 両クラブによるマドリードダービーでは、アトレティコの本拠地ワンダ・メトロポリターノ(Wanda Metropolitano)で行われた昨年9月の試合前にも、ビニシウスがアトレティコのファンから人種差別的なチャントを浴びる問題があったが、スペイン検察は同12月、犯人を特定できなかったとし、捜査を打ち切っていた。(c)AFP