【1月24日 AFP】インドで先週、数十億円規模の宝石事業を引き継ぐことになっていた8歳の少女が、厳格な教えで知られるジャイナ教の尼僧となるため出家した。

 デバンシ・サンビさんは先週まで、「ダイヤモンドの都」と知られる西部グジャラート(Gujarat)州スーラト(Surat)で、家族が営む宝石商サンビ・アンド・サンズ(Sanghvi and Sons)の後継者とされていた。

 サンビさんの家族もジャイナ教の信徒だ。ジャイナ教は、歴史あるインドの宗教で、非暴力と厳格な菜食主義、すべての生き物に対する愛を説いている。

 サンビさんは18日、4日間にわたる儀式を終えて寺院に到着した。頭髪をそり落とし、豪華な衣装を簡素な白い綿製の服に着替えた。

 儀式に出席した関係者はAFPの取材に匿名を条件に応じ、サンビさんは信心深いことでスーラトのジャイナ教徒の間で知られていたと語った。「一度もテレビや映画を見たことがなく、ショッピングモールやレストランにも行ったこともない」が、寺院の儀式には定期的に参加していた。

 地元メディアによると、サンビさんの両親は、娘はかねて尼僧になりたがっていたと主張している。ジャイナ教では、信者が自身の社会的地位を向上するため、子どもに出家を勧めることもあるという。

 サンビさんの一族は、1981年に宝石事業を立ち上げた。インドの信用格付け会社ICRAによると、純資産は50億ルピー(約80億円)に上る。

 ジャイナ教の信者は、インド国内で400万人以上いる。その多くを裕福な商人が占めている。(c)AFP