【1月18日 CNS】盆栽芸術は1300年ほど前に中国で誕生し、唐の時代に日本に伝わった。中日両国の盆栽文化は長い歴史の中で発展し、それぞれの特徴があり、世界に名を馳せ、両国の文化交流と相互学習の一部となっている。日本の盆栽の巨匠、小林國雄(Kunio Kobayashi)さんはインタビューで、自身の創作スタイルは中国の影響を強く受けたことを語った。日本の盆栽は究極の技術レベルに達しており、理論的・芸術的なブレークスルーが必要となり、近年、中国の自然景観や文化から変革や革新のための養分を汲み取り、有用な試みを数多く行ったと述べた。

 全体からみれば、盆栽の美しさは、芸術的な形と思想的境地の両方を兼ね備えた自然な美しさだ。だからこそ、盆栽は「無声の詩、立体的な絵画」と言えるのだ。これは中国も日本も同じ認識だ。その違いは、日本の盆栽芸術が日本の風土・文化を取り入れ、その美学が「もののあわれ」や「静寂(せいじゃく)」「野趣」といった多くの特徴を持ち、禅の境地を極限まで高めたことだ。

 日本の盆栽は、中国の盆景とも現代中国語の「盆栽」とも一致せず、自然界の様々な美しい樹形を芸術的に加工して表現した芸術品を指す。中国の樹木盆景に相当するが、両者は同一ではない。中国の樹木盆景は、「自然を源とし、自然を越える」を追求する。樹木の佇まいの美しさだけでなく、その姿が表現する境界や情緒の鑑賞を通じ、鑑賞する者の思想上の共鳴を誘発する。その結果、作品の美の境地の鑑賞レベルにまで踏み込んでいる。そのため、中国の盆栽の作品には一般的に、作品の境地の特徴をまとめ、テーマを表現したタイトルがつけられる。鑑賞者がそのタイトルを理解し、景に触発されて興味を持つようになっている。一方、日本の盆栽の場合、ごく一部のタイトルがついた作品を除き、通常は樹種や仕様、作者、収集家などの客観的な情報しか示めされない。

 日本の盆栽は三角形のものが多く、造形にはいささかこだわりがある。一方、中国はその広大な領土から「大陸国家」の雰囲気があり、ゆったりとしたスタイルの大型の盆栽が好まれるようだ。中国の盆栽は、よりダイナミックで旺盛なパワーを持っている。

 要するに、中国の盆栽の美学は、写意、境地のあることを重点に置いており、日本は、自然をリアルに表現する写実を重視している。小さな盆栽は、東洋哲学における自然への畏敬と愛情の表現であり、東洋文化における生命観や宇宙観へ独特な表現でもある。近年、盆栽はアジアから徐々に世界へ進出し、その背景にある中国と日本の文化的なつながりが、東洋哲学を取り入れたこの芸術品の意味をより深くしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News