【1月15日 AFP】ドイツ西部リュッツェラート(Luetzerath)村で14日、立てこもりを続けていた、炭鉱開発に反対する環境活動家らと警察が衝突した。村にはスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さんが訪れたこともあり、化石燃料反対運動の象徴となっている。

 同村での抗議活動参加者は主催者発表で3万5000人、警察は1万5000人としている。独メディアは警察の情報として、約470人の活動家が排除されたと伝えた。

 しかし、数百人が封鎖された現場からの立ち退きを拒否。一部の参加者と警察の間で衝突が発生した。警察はAFPに対し、「暴力的な」参加者に対し放水銃を使用したと語った。夕方には落ち着きを取り戻し、参加者らは徐々に解散した。

 警察によると、警察、抗議活動参加者の双方に負傷者が出たが、けがの程度や何人負傷したかなど詳細は不明。

 一方、抗議活動の主催者側は、数十人が放水銃でけがをしたり、警察犬にかまれたりしたと主張している。少なくとも20人が病院で治療を受けており、警察官に頭や腹を殴られた人もいるもよう。

 リュッツェラートは、独エネルギー大手RWEが運営する、欧州最大級の露天掘り炭鉱の拡張工事のため消滅することになっている。しばらく前から無人となっていた。

 トゥンベリさんは村を訪問した際、デモ行進の先頭に立つなど反対運動への支持を示し「RWEのような化石燃料企業と取引や妥協をしているドイツ政府は恥知らずだ」と非難。世界最大の温室効果ガス排出国の一つであるドイツには「重い責任がある」と語っていた。(c)AFP