【1月14日 CGTN Japanese】ヒトゲノムの8%はレトロウイルス由来の「化石」配列であり、その活性化が老化を誘発すること、それらの遺伝子の「復活」を抑制することで体内組織や生体の老化を遅らせられることを、中国の科学者が発見しました。これは世界初の発見です。中国科学院動物研究所の劉光慧(Liu Guanghui)研究員チームによるこの研究成果が、科学誌「セル」電子版に掲載されました。

 劉氏によりますと、老化細胞中の緻密なDNAパッケージング方式の緩和がレトロウイルスの転写を活性化させます。さらに、ウイルスタンパク質を翻訳し、ウイルス粒子にパッケージングします。さらに予想外の発見は、これらのウイルス粒子が臓器や組織、細胞の間で老化シグナルを効果的に伝達および増幅し、最終的に周囲の若い細胞を「感染」によって老化させることです。

 研究チームは、メカニズム解明後、ウイルスを抑制する方法を探し続けました。劉氏によりますと、チームは、潜伏、復活、細胞間伝達などの各段階の解析を通じてより多くの抑制策を考え出し、逆転写酵素を標的とする小分子の薬やウイルスのエンベロープタンパク質を標的する中和抗体などの技術が組織や生体の老化を遅らせることができるとのことです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News