【1月9日 AFP】女子テニスの大坂なおみ(Naomi Osaka)は、昨年9月から試合に出場していない。そして7日、来週から始まる全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2023)の欠場が決まったことで、元世界ランキング1位の大坂は二度とコートに姿を見せないのではないかという懸念が高まっている。

 全豪オープン欠場が発表された後も、大坂のSNSは沈黙したままで、欠場の理由は明らかになっていない。ここ数か月の投稿は、交際しているとされる米ラッパーのコーデー(Cordae)さんとの欧州旅行の様子や、自身のスポーツマネジメント会社が世界2位のオンス・ジャバー(Ons Jabeur、チュニジア)と契約したことを知らせるもので、大坂が練習している様子はほどんど見当たらない。そのため、四大大会(グランドスラム)4勝を挙げている大坂のテニスキャリアは、25歳にしてすでに終わったのではないかとの臆測が加速している。

 今年刊行される予定の大坂の伝記を担当したテニスライターのベン・ロゼンバーグ(Ben Rothenberg)氏は、大坂はすでにテニスから「大きく身を引いたところにいる」と見ており、沈黙を保っているのは意図的なものだと考えている。

 ロゼンバーグ氏は「曖昧にしたいのかもしれない。必ずしもレッテルを貼りたくないのだろう」と話し、「本人は『引退』という言葉を使わないと思うし、期間はどうあれテニスからしばらく離れるつもりなのだとすれば、それを公言したがるかは不明だ」とコメント。「そんなことをすれば、大騒ぎになるのを察していると思う」と見解を示した。

 大坂はメンタルヘルスに苦しんでいることを公表し、うつ状態にあると明かした過去がある。昨年はシーズンを通して世界トップ10圏外に低迷し、グランドスラムでも不調。夏にはコーチを父親のレオナルド(Leonard Francois)さんに戻した。

 最後の公式戦は昨年9月に東京で行われた東レ・パンパシフィック・オープン(Toray Pan Pacific Open 2022)で、地元の期待も高かったが、2回戦の前に腹痛のため棄権した。パンパシでは、2022年は「浮き沈みで言えば沈む方が多かった」と振り返り、自分自身について「いろいろなことが分かった」と話している。2019年に初めて頂点に立った世界ランクも、今は47位まで下降した。