【1月9日 AFP】サッカーフランス代表のキリアン・エムバペ(Kylian Mbappe)が8日、フランスサッカー連盟(FFF)のノエル・ル・グラエ(Noel Le Graet)会長(81)のジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane)氏に対する発言は「失礼」だと批判し、W杯(World Cup)を制したジダン氏は「レジェンド」だと話した。

 フランス代表をめぐっては、アルゼンチンにPK戦の末に敗れ、準優勝となったW杯カタール大会(2022 World Cup)限りで契約の切れたディディエ・デシャン(Didier Deschamps)監督が、7日に契約を4年延長し、2026年W杯(2026 World Cup)までチームを率いることになった。

 しかし、ル・グラエ会長は、国内ラジオ局によるインタビューで、ジダン氏から代表監督への関心を示す連絡はあったのかと質問されると、「ジネディーヌ・ジダンから連絡があったとしても、私は電話を取りもしないだろう」と一笑に付し、同氏が後任候補に挙がったことを否定した。

 ジダン氏は現役時代にデシャン監督とともに1998年のW杯フランス大会(1998 World Cup)を制し、2006年のドイツ大会(2006 World Cup)では準優勝。引退後はスペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)を率いた経験もある。そのジダン氏から最近連絡はあったかと聞かれた会長は、「あったとしても電話は取らない。何を話せと? 『やあ、心置きなく別のクラブを探してくれ。われわれはちょうどディディエと契約したところだ』と言うためにか」と答えた。

 これに対して、2018年のW杯ロシア大会(2018 World Cup)で優勝、カタール大会で準優勝を経験しているエムバペは、会長の態度に異議を唱え、ツイッター(Twitter)に「ジダンはフランスそのもので、そのようなレジェンドに、僕らは失礼なことをしない」と書き込んだ。

 ル・グラエ会長は、ジダン氏がブラジル代表の指揮に興味を持っているという報道にも素っ気なく反応し、「彼が向こうへ行ったら驚きだ」と話すと、「自分がやりたいことをやればいいし、私には関係のない話だ。彼とはまったく面識がないし、ディディエ・デシャンとたもとを分かつなど考えたこともない」と続けた。

 フランスのアメリー・ウデア・カステラ(Amelie Oudea-Castera)スポーツ相はその後、ル・グラエ会長の発言は「恥ずかしいほど敬意を欠く」ものだと話し、謝罪を要求している。(c)AFP