【1月7日 AFP】英国のヘンリー王子(Prince Harry、38)が、来週発売予定の自伝「スペア(Spare、原題)」の内容をめぐり、メディアやコメンテーター、退役軍人、アフガニスタンのイスラム主義組織タリバン(Taliban)から批判を浴びている。

 自伝の発売日は1月10日だが、数日前にスペインで誤ってスペイン語版が販売され、内容がリークされた。ウィリアム皇太子(Prince William)に「襲われた」とする主張や初体験、薬物摂取、アフガン従軍時にタリバンの戦闘員25人を殺害したと告白する内容が非難と嘲笑の的になっている。

 作家のA・N・ウィルソン(A.N. Wilson)氏は自伝について、「計算されていて卑劣」で「悪意ある」作品と評している。

 この内容を公表しようと思ったのは「愚かしい」として、世論を味方に付けるのに失敗し、王室への同情を集めただけだと切り捨てている。

 英大衆紙サン(Sun)は論説で、世間は幼くして母親を亡くしたヘンリー王子に同情しているが、「復讐(ふくしゅう)心に燃えた破滅的な道を自ら選び、大金と引き換えに家族を裏切ったこと」は許さないと指摘。

 ヘンリー王子の主張には「数々の矛盾」があるとし、「自分のためにも(こうした行為を)やめる」よう呼び掛けている友人の言葉に耳を傾けた方がいいと忠告している。

 今週、ヘンリー王子がウィリアム皇太子に「襲われた」とする内容を最初に報じた英紙ガーディアン(Guardian)のコラムニストは、自伝は「大衆の関心」という厄介な問題を超えて、公の場で「内輪の恥をさらしている」と指摘。

「宮殿のコテージで兄弟が殴り合ったとされる詳細は、ばかばかしいと思えるほどどうでもいいことであると同時に、心が痛むほど悲しい内容だ」と述べている。(c)AFP