三星堆遺跡、神人と神獣のデジタル接合に成功
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【1月5日 Xinhua News】中国四川省文物考古研究院は2日、同省広漢市の三星堆遺跡で出土した二つの遺物、3号祭祀坑(さいしこう)の「銅頂尊跪座人像」と8号祭祀坑の「神獣」の三次元モデル上での接合に成功したと発表した。
同研究院三星堆遺跡考古研究所の冉宏林(ぜん・こうりん)所長によると、二つ遺物はいずれも2020年に再開した発掘調査で発見した六つの祭祀坑の出土青銅器を代表する器物だという。科学技術による文化財保護・研究の革新を進め、前回デジタル接合に成功した「鳥足曲身頂尊神像」に続く新たな研究成果となった。
冉氏は「遺物をスキャンし、コンピューター上で三次元モデルをつなぎ合わせる新手法を用いた。接合研究の速度が速まっただけでなく、データの絶対的精度も確保でき、遺物の損傷も避けることができる」と説明した。
冉氏によると、8号祭祀坑出土の神獣は、出土時の観察で尾の部分に二つの突起が見つかり、細部の構造と大きさが3号祭祀坑出土の銅頂尊跪座人像と一致することが判明。1986年に2号祭祀坑から出土した神獣が人を載せ、人が尊(そん、礼器)を載せた神壇の造形を参考に二つの遺物が接合できると判断した。
異なる祭祀坑から出土した遺物が接合できたことは3、8号両祭祀坑が同時期に造られたことを裏付けている。今回接合された遺物は復元作業を完全に終えていないが、専門家はその上にさらに異なる器物が載っていたと考えている。最新技術を用いてより多くの遺物が接合されるようになれば、器物復元の現場により多くの驚きと喜びをもたらすことになり、古代の国家の真の姿をより立体的に復元して人々に伝えることもできる。(c)Xinhua News/AFPBB News