【12月29日 AFP】ロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)は28日、セルビアとコソボの緊張激化を受け、友好国セルビアへの「支持」を表明した。

 ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)報道官は会見で、「ロシアは、事態の進展とセルビア人の権利が確保されているのかを注視している」として、「わが国は、セルビア政府のすべての行動を支持する」と述べた。

 さらに「セルビアは、近隣で困難な状況にあるセルビア系住民の権利を守ろうとしている。こうした権利が侵害された場合、厳しい対応をするのは当然だ」と述べた。一方で「セルビアは主権国家であり、ロシアの影響力を受けていると考えるのは完全に間違っている」と付け加えた。

 コソボは2008年にセルビアからの独立を宣言した。しかし、セルビアは認めておらず、コソボのセルビア系住民約12万人にコソボ政府への抵抗を促してきた。

 今月10日には、コソボ北部でセルビア系の元警察官がアルバニア系の警察官に暴行したとして逮捕されたことをきっかけにセルビア系住民がバリケードを築いて抗議した。

 セルビアのアレクサンダル・ブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領は26日、軍に「最高レベル」の警戒態勢を取らせるとともに、特殊部隊の強化を命じた。(c)AFP