戦争で「大人になってしまった」子どもたち ウクライナ
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■「将来のことは考えない」
リマンはもはや激戦の場ではなくなったが、ドネツク州の他の町では今も戦闘が目の前に迫っている。
先月、ウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領が電撃訪問したバフムート(Bakhmut)は、ロシアの執拗(しつよう)な攻撃を数か月間にわたり受け続けている。
8か月前から20人が避難している地下室の奥では、フレプ・ペトロウさん(14)が訪問者を出迎え、真剣な表情で固い握手を交わしていた。
フレプさんはこの部屋に暮らす唯一の未成年者だが、毎晩遅くまで起きて高齢者の世話をし、住み着いた子猫の面倒も見ている。時々絵を描いたり、大人向けの本を読んでみたり、電気があるときは携帯電話でゲームをしたりする。
フレプさんは「将来のことは考えない。今から1時間後、1日後に何が起こるのかも分からないから」と語った。
外で爆発音が響くと、フレプさんは敵と味方の砲撃の違いを音で聞き分けられるようになったと語った。今の一番の夢は、ただ「友達と散歩に行くこと」だという。
