【12月30日 CGTN Japanese】中国中部・湖北省文化観光庁の発表によりますと、湖北省十堰市の学堂梁子遺跡で発見された「鄖県人」3号の頭蓋骨の化石が、半年近くの発掘調査を経て、このほど無事に掘り出されました。

「鄖県人」3号の頭蓋骨の化石は今年の5月18日に発見されました。この頭蓋骨化石が埋まっていたのは地表からわずか0.62メートル下で、このほど無事に掘り出されました。

 1989年と1990年には同じ遺跡から100万年前の古人類の頭蓋骨の化石2個が相次いで出土し、「鄖県人1号」と「鄖県人2号」と命名されました。一方、最も新しく出土した「鄖県人」3号の頭蓋骨の化石が出土した場所は1号と2号の頭蓋骨が出土した場所からわずか約35メートルしか離れておらず、保存状況がより良好で、同時代におけるユーラシア内陸部では最も完全な古人類の頭蓋骨であり、東アジアにおける人類の出現と発展を研究する上で重要な証拠資料となっています。

 十堰学堂梁子遺跡考古学専門家作業グループ長の高星氏によりますと、今から100万年ほど前の人類の化石は非常に少なく、具体的には中国では170万年前の「元謀人」、160万年から120万年ほど前の「藍田人」しかありません。「鄖県人」はその中間年代に位置しています。その後も「北京原人」がいましたが、新たな年代測定で「北京原人」は今から80万年ほど前にいた可能性があることが明らかになりました。今から約20万年から200万年の時間幅は人類が直立二足歩行のホモ・エレクトスに進化した段階であり、「鄖県人」はホモ・エレクトスの200万年の進化の過程においてカギとなる節目の時期に位置しています。「鄖県人」の発見は、「元謀人」「藍田人」と「北京原人」との間にあった東アジアのホモ・エレクトスの長期的な進化の空白を埋め、かけがえのない研究価値を持つということです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News