【12月27日 AFP】サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)で頂点に立ったアルゼンチン代表の主将リオネル・メッシ(Lionel Messi)と優勝トロフィーの入れ墨を入れようと、首都ブエノスアイレスでファンが行列を成している。先日にはアンヘル・ファビアン・ディ・マリア(Angel Fabian Di Maria)が右脚にW杯のタトゥーを入れるなど、アルゼンチン代表メンバーのボディーアートに大勢のファンが刺激されている。

 タトゥーアーティストのエステバン・ブシノビチさんはAFPの取材に、「とにかく2週間先まで、W杯に関連したもの(の予約)ばかり入っている」と話し、「ヘビや骸骨で予約していたのに、メッシとW杯のデザインに変更する人たちもいる。1日に2、3件は入っている」と明かした。

 ブシノビチさんによると、リクエストが最も多いのはトロフィーで、2番目がメッシとなっている。その次に人気があるのは、フランスとの決勝でアルビセレステ(Albiceleste、アルゼンチン代表チームの愛称)の勝利の立役者となったGKエミリアーノ・マルティネス(Emiliano Martinez)だという。

 公務員のニコラス・レチャニクさんは「感謝の印として、メッシのタトゥーを入れた」といい、「これが表しているのは、メッシという存在だけでなく、私たちに3個目のW杯をもたらしたチーム、そしてこの目標に到達するべく努力してきた長年の年月だ」と語った。

 レチャニクさんは今回、チームカラーである水色と白のストライプのユニホーム姿でトロフィーにキスするメッシの姿を左脚に彫ったが、アルゼンチンサッカー界の象徴的存在であるディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏のタトゥーもすでに入れており、「アルゼンチンサッカーとは何なのか、そしてアルゼンチン人であることは何を意味するのかを、これが完璧に表している」と誇らしげだった。

 一方、熱狂的サッカーファンであるアルマ・オカンポさんがタトゥーを入れようと決めたのは、誰もが驚くことにアルゼンチンがW杯初戦でサウジアラビアに敗れたときだったといい、「みんなが自信を失っていたときに決めた。アルゼンチンが優勝したら、W杯のタトゥーを入れようって。だから、そうした。(決勝が行われた)2022年12月18日の日付と一緒にね」と告白。彼女は「かなり痛かった」ことも付け加えた。

 体育教師のアリエル・サッキさんは、メッシのW杯出場回数にちなみ五つのW杯トロフィーと、その中央で同選手がトロフィーにキスしている姿を体に刻み、「レオ(メッシ)にしようと決めたのは、アルゼンチン国民全員に最高の喜びをもたらしてくれたから」と明かした。

 しかし、全てのタトゥーが同じというわけではなく、デザインの大失敗で多くのファンがSNSの笑い者になっており、太った顔のメッシや名前のスペルミスなどがトレンドに上がっている。(c)AFP/Liliana Samuel and Tomas Cuesta