【12月27日 AFP】元競泳女子の五輪メダリストで、母国ベラルーシ政府に批判的なアリアクサンドラ・ヘラシメニア(Aliaksandra Herasimenia)さん(36)に対し、同国の裁判所が26日、禁錮12年の判決を言い渡したと人権団体が明らかにした。本人は2020年秋から亡命生活を送っており、審理は欠席していた。

 人権団体「ビアスナ人権センター(Viasna Human Rights Centre)」によると、国内選手権の元女王で2019年に現役を引退したヘラシメニアさんは、ベラルーシへの「制裁の呼び掛け」や、同国の「国家安全保障を害することを目的とした」行為など、複数の罪で有罪となった。

 2020年8月にベラルーシで独裁政権を敷くアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領が再選を果たし、国内において大規模な抗議デモが発生した中、ヘラシメニアさんは「ベラルーシ・スポーツ連帯基金(BSSF)」の共同設立者となった。

 この財団は、政治的見解で当局による締め付けの対象となっているアスリートに、経済的および法的な支援を提供。また、ベラルーシで開催されるスポーツ大会へのボイコットを提唱したほか、国際オリンピック委員会(IOC)に対して旧ソ連構成国の一つである同国への制裁も呼び掛けた。

 同団体はベラルーシにおいて、過激派のレッテルを貼られている。(c)AFP